前回のシャーシに続いて、M-07Rの駆動系の心臓部といえるオイル封入式のデフギアを組み立てます。
M-07Rは前輪駆動のFWDなので、組み立てるデフギアはフロント側の1つだけです。
写真が多くて重い記事になりそうですが、M-07Rの組み立て手順の中で最も複雑かつ細かいパーツを組み立てる最難関の手順なので、組み立てるポイントを2回に分けて順を追ってご紹介します。
オイル封入式のデフギアを組み立てます
説明図では1つの手順にまとまっていますが、「①ギアの処理」「②デフギアの仮組み」「③デフオイルの漏水予防」「④デフギアの組み立て」の4つの手順に分けてもよいぐらい内容の濃い組立作業になります。
またデフギアの出来具合は走りに直結するので、じっくりと丁寧に進めます。
でもオイル封入式デフギアがしっかり組めると、まるで自分のRCカー組み立ての腕がレベルアップしたかのような達成感があるのでとても楽しい作業です。
なお、かなり細かいパーツを組み立てたり指が届かない場所へ小さなピンを挿す手順があるので、ピンセットは必ず必要になります。
①ギアの処理
デフギアの各パーツ群で唯一ランナーから切り離すのが、大小6つあるこのベベルギアです。
ベベルギア本体ギリギリのところをいきなりニッパーで切り取るとギア側が欠けてしまうこともあるので、まずはランナーとの継ぎ目を多めに残して切り取ります。
デフギア内での取り付け精度が要求される大切なギアなので、あえて多めに残したバリは必ずキレイに取り去ります。
オプションのOP.1428 TA06 ギヤデフ用スチールベベルギヤセットに入替えればギアの強度と対磨耗性が一気に向上しますが、今回はキット標準のノーマルなデフギアを組みたいのであえてこのまま組んでいきます。
残したバリをデザインナイフで切り取っても良いですが、400番の耐水ペーパーで軽く面出ししつつバリを消します。
私が好んで使っているのは、P400番×2枚・P600番×1枚・P1000番×2枚がセットになっているタミヤのフィニッシングペーパー(細目セット)です。
バリ取りやテーパーライン消しに加えてパーツ同士の面合わせやはめ込み精度の微調整にも使うので、RCカーの組み立てには必須の道具です。
M-07Rのデフギアの組み立てでは、はめ込み調整のための耐水ペーパーがけが必要になる箇所がもうひとつあります。
②デフギアの仮組み
ランナーから切り離したベベルギアの処理が終わったらデフギアを構成するパーツがすべて揃うので、説明図通りに仮組みしてみてパーツ同士のはめ込み精度や組み付けに注意する箇所を確認します。
全体的な組み付け具合は概ね良かったですが、一箇所、1510ベアリングをギアデフケースに組み付ける際にかなり渋い、というより硬すぎて組み付けできませんでした。
ギアデフケース側に400番の耐水ペーパーを軽くかけてセラグリスを薄く延ばすように塗布することで、ガタ無しでスルスルに1510ベアリングをギアデフケース組み付けることができました。
M-07Rのデフギアはオイル封入式なので、デフギア内のオイルが極力漏れないように組み付け精度に気を配ります。
特にギアデフケースにギアデフカバーでフタをする際にデフガスケットを挟みますが、挟み込み圧力を均等にしないと合わせ面に隙間ができてオイルが漏れる原因になります。
予めギアデフケースにキット付属の2x8mm六角皿タッピングビスを使ってタップを切っておくことで、締め込み圧力が揃いやすくなり組み付け精度が上がるビス穴を作っておきます。
このあと、デフオイルの漏水予防を行なってデフギアを完成させます。